最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「…………漣?大丈夫か〜?」



心配そうにあたしの顔を覗き込み、目の前で手を振る。



「ただの風邪だから。」



そう言って去ろうとするあたしの腕を坂原は掴んだ。



「こんな大きな病院で診てもらわなきゃいけないくらい酷いの?」



坂原の言葉にハッとする。
ここは大学病院だし、風邪の為に来るところじゃないよね…。



「ち、近くに病院無くて。それに…大きい病院のほうが何かと安心だから。」



慌てて言葉を繋ぐと坂原は納得したように頷く。



「よかった〜!!漣に何もなくて!」



坂原はそう言ってニッと笑った。



やっぱり…。太陽みたいな人…。眩しい人だな…。






< 49 / 318 >

この作品をシェア

pagetop