最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「嘘だろ…………。失明するって……。」
まるであたしに確認するように呟く。あたしは無言で首を横に振った。
「…っ…………漣っ!!」
ガバッ
突然何かに抱きしめられた。見えなくても分かる……。
「………………坂原…。」
あたしを抱きしめる手は震えていた。人の温もり…。こんなに温かいものなんだ。
「一人でずっと苦しんでた?泣いてた?俺がもっと早く漣に出会えてたら………。」
その声も体も震えていた。もしかして……。
あたしは手探りに坂原の顔に触れる。ちょうど頬に触れると、雨とは違う温かい雫が、手に流れ落ちてきた。
「……泣いてるの…?」
驚いてそう尋ねると、さらに強く抱きしめてくる。