最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「……あたし………。」
いいの……?縋ってしまっていい?傷付くのは分かってる。それでも………。この人にだけは、離れていってほしくない。
「………坂原にだけは…離れていってほしくない…。」
本心だった。たとえ傷付く事になっても……。これだけは譲れない。
「もう一人は……嫌だよ…。」
あなたに触れてから、人の優しさ、温かさを知ってしまった。離れられるわけがないんだ……。それを知ってしまったから。
「離れてなんかいかない。俺は此処にいるから。」
そう言って抱きしめてくれる。真っ暗で、何も見えないけど、不安はなかった。だって……あなたが光のように、あたしを照らすから…。