最後の世界がきみの笑顔でありますように。


図書室へ来ると、扉が開いていた。先客がいるようだ。中を覗くと、見知った姿があった。



あれは確か………。


委員長の鮎沢さん。図書室にいるところ初めて見た。


ドンッ

あたしは無言で図書室に入り机に鞄を置いた。



「さ、漣さん!?」



本に夢中になっていたのか、あたしの存在にたった今気付いたようだ。



「おはようございます。」



そう言って頭を下げてきた。同学年なのに敬語……?



「………おはよう。」


戸惑いながらも挨拶を返すと、嬉しそうに笑った。



なんであんなに嬉しそうなんだろう…。ただ挨拶返しただけなのに……。








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