最後の世界がきみの笑顔でありますように。
「なんかあった?」
坂原の言葉に、話そうか迷っていると、坂原はあたしの頭に手を置いた。
「話せたらでいい。でも、相談出来るならして?1人で悩むくらいなら、俺に話して。」
「坂原…………。」
坂原なら力になってくれるかもしれない。
あたしは坂原に、鮎沢さんの話をした。
「……鮎沢さんか。あの静かな子だよな!分かった!!俺もしばらく鮎沢さんの事見てるよ。」
「…ありがとう。本当、馬鹿馬鹿しいね。人の事傷付けて……。」
そんな人間ばっかり、健康に生まれてきて、幸せな環境で生まれてきてる。心にも、体にも余裕があるのに、どうしてこう捻くれるのか。
「本当だな。鮎沢、それでも毎日学校来てる。1人で戦ってたんだな。」
1人で……。
その言葉に胸が締めつけられた。あたしと似ている。イジメと戦う鮎沢さん。病気と戦うあたし。
「お互いに1人だった。」
でも今は、坂原がいる。1人じゃない。鮎沢さんにも、支えてくれる誰かが必要なんだ。