トライアングル・LOVE
第一章
和久井尚人
《和尚》とは、高校1年生の教室で初めて出会った。
出席番号が前後だったのだ。
先生に決められた出席番号順に座ろうとすると、前の席の長身の男がぼそっとつぶやいた。
「あれ?おれ、今年は最後じゃないんだな」
「ぼくだよ、このクラスの最後は。渡辺翔っていうんだ。よろしく」
とぼくは自己紹介した。
「おれ、和久井尚人」
和久井の身長は、185cmはあるかと思われた。
彼は、モデルかと思うくらい均整の取れた身体と、彫りの深い白人系の顔立ちをしていた。