トライアングル・LOVE
和尚とは廊下ですれ違ったときに、目でよっと合図する程度の距離感だった。


和尚はぼくになにか言いたげな目をしていたが、ぼくは彼とは、とりあえずいまは話したくなかった。
いつも連れ添っていた親友が、急にいなくなるのは、それは寂しかった。



だが、和尚もやがて一人に飽きたのか、バスケ部に混ざってバスケをしている彼の姿を見かけるようになった。

そうしたら、たちまちレギュラーになって、弱小チームを県大会まで導いたというから驚きだ。


あいつは、ほんとうに、なんでも出来るバケモノだった。


ぼくが将来旅客機のパイロットをしているとすれば、和尚はNASAで宇宙飛行士をしているんじゃないかというくらいの差はあった。
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