トライアングル・LOVE
「ところで、和尚はどうすんの。入学は9月だろ?」

「ああ。今週末に向こうに行くことにしたよ」

「ええっ?!」
あまりの急さに、ぼくは驚きの声をあげた。

「そっか…、ぼくはまだ、こっちにいるのかと思ってた」

「日本にいても仕方ないだろ」

「じゃあ…、」
もう、和尚とは会えなくなるのか。

ぼくは、突然、彼と出会ってから、いろいろあった高校時代を思い起こして、きゅっと胸が痛くなった。


「和尚。便はいつ?」

「土曜日の14:35発のノースウエストだよ。途中、デトロイトで乗り換えて、それからボストンに住んでる叔母さんの家に行く」
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