19番目の彼氏
放課後、約束通り隼人は裏庭に居た。



「…何だよ、話しって」



「…唐突に言う。浮気してたんでしょ?」



「…は?何の事?」


……あたしをごまかすつもり?


全部知ってるんだから。



「正直に言って。浮気してたんでしょ?…それとも現在形…」


『してた』んじゃなくて、『してる』とか…?



「だから何の事だよ」


ねぇ、惚けないでよ。



「…昨日の女…」


これでもごまかすつもり?

でも隼人の顔は落ち着いたままだった。



「…美愛の事?」



「そうよ」



「…あいつと浮気なんかしてないけど」


はぁ………?


あたし全部知ってるのよ。
昨日の事も、あの喫茶店での事も。
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