19番目の彼氏
あたしは結局何も欲しい物がなくて買うつもりはなかった。



……けど隼人は何か必死に選んでる。



「…なあ」


えっ…あたしっ!?



「…何?」



「これとこれ、どっちが良いと思う?」


そう言って隼人はあたしに写真立てを見せてきた。


一方は貝殻が周りについているので、もう一方はビーズが綺麗に散りばめられている物だった。



……あたし的にはどちらも好き。


あげる対象によるんじゃない?



「何歳にあげるの?」


いきなりの関係ない質問に戸惑っている。



「…年上だけど?」



「…ふ〜ん、じゃあこっち」


そう言ってあたしはビーズの方を指した。


こっちの方が大人っぽいし。



「分かった、買ってくる」


「うん」




……それにしても隼人…意外とセンスいいかも。


写真立てはどっちも悪くないし…


今日着ている服も悪くはない。
< 53 / 120 >

この作品をシェア

pagetop