19番目の彼氏
「じゃあ玄関まででいいから!」



階段を降りていくとそこには兄貴がいた。




「美愛、家まで送ってくよ」



「あっ、ごめんね!ありがとう」


…兄貴なら良いんだな。


やっぱりどこかで美愛は俺の事を気にしてる。



正直、兄貴が羨ましい。


美愛の隣や何もかも自分の物な兄貴がたまに嫌になる。




兄貴と美愛を見ていると、美愛に向いていた兄貴の視線が俺に向いた。



その視線は何もかも見透かす様な目で俺を見ていた。



「後で話したい事がある」

耳元でボソッと言った兄貴の声はいつもの声とは違っていて低く怒っている様な声だった。



「どうしたの!?早く行こうよぉ」



「…あっ、ごめん美愛」


そう言って二人は家を出て行った。
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