youthful days~男女7人青春物語~
花火大会当日を迎えた。

浴衣はいつもと違って見えるから、特別だ。

「待った?」

彼女に見とれていたせいで、蒲生は声をかけるタイミングを見失いそうになった。

「ううん」

莉緒が首を横に振った。

濃紺色の生地に赤い花の模様の浴衣がよく似合っている。

いつもは下ろしている髪を1つのおだんごにアップしていた。

いつもとは違う莉緒の様子に、心臓がドキッと鳴ってしまった。

「じゃ、行こうか」

そう言って行こうとした瞬間、莉緒の手が触れた。

答えるように、蒲生はその手を繋いだ。
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