youthful days~男女7人青春物語~
同じ頃。

「ほーっ、多いもんだな」

永田は珍しそうに周りを見回した。

いつもとは違う着流し姿の彼に、光の心臓がドキッと鳴った。

「…そりゃ、お祭りですから」

たくさんの出店とたくさんの客は、うっかりしたら迷子になってしまいそうだ。

「始まるまで時間があるら、何か食べるか?」

そう聞いた永田に、
「そうですね」

光は答えた。

ふと、永田の手が触れた。

一瞬の出来事に光の心臓がドキッと鳴ったが、すぐに平静を装った。

彼には、好きな人がいる。
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