youthful days~男女7人青春物語~
「えっ、いいんですか?」

驚いたと言うように言ったルイに、
「2回読みましたから」

加藤は言った。

言っていることがめちゃくちゃなのは黙っておこう。

ルイが加藤の手から文庫本を受け取った。

「ありがとうございます!

あたし、雨野ルイです」

「加藤祐市です」

それが、彼女と交わした初めての会話だった。


「今何時?」

愛の声で、加藤は現実に戻った。

「6時30分、始まるまで後30分あるよ」

ルイが携帯電話で時間の確認をしながら言った。
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