youthful days~男女7人青春物語~
先に破ったのは、
「産んでくれるよな?」

蒲生からだった。

「――産んでも、いいの?」

そう言った杏夜に、
「当たり前だろ。

俺の子なんだろ?」

蒲生は言った。

「ええ」

杏夜が首を縦に振ってうなずいた。

彼女の目が潤み始めている。

「俺、今まで以上に頑張るよ。

杏夜と、その子を幸せにするように」

そう言った蒲生に、
「ありがとう」

潤んだ目のまま、杏夜が微笑んだ。

悲しい夢は、もう終わった。

始まるのは、幸せな世界。

今まで見ていた悲しい夢は、世界地図の一部として繋げよう。
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