youthful days~男女7人青春物語~
「おっと、もうこんな時間だ」

光の殺意など全く気づいていないと言うように、永田は時計を見ると椅子から立ちあがった。

彼の目的は、朝の満員電車だ。

そこでルイとよく会うのだそうだ。

「じゃ、後片づけよろしくな」

「はい、行ってらっしゃーい」

光は皮肉混じりに言うと、視線だけで永田を見送った。

永田はカバンを持つと、リビングを出た。

バタンと、ドアの閉まる音が聞こえた。

「はあっ…」

光はため息をつくと、どうしてこうなってしまったものかと振り返った。

ことの始まりは去年の4月である。

原因は、不動産屋だった。
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