youthful days~男女7人青春物語~
「蒲生先生は?」

永田がそう聞いてきたので、蒲生は焦った。

まさか、妻が家で他の男と抱きあっていたから逃げてきたなんて言える訳があるまい。

仕方ないので、
「――妻と、ケンカをしまして…」

自虐的にそう言って笑うことを選んだ。

「ホテルに行くのももったいないと思って、かと言って公園でホームレスをするのは話にならないと思って…」

そう言った蒲生に、
「ああ、ご愁傷様ですね」

ガハハと永田が豪快に笑った。

(笑うとこをが違うと思うんだけど…)

豪快に笑っている永田に、光は何も言えなかった。

笑われた蒲生の様子はどうかと思い視線を向けてみると、彼も一緒になって笑っていた。
< 97 / 313 >

この作品をシェア

pagetop