youthful days~男女7人青春物語~
「それじゃあ、冷めないうちに食べましょう」

永田が言った。

(もう冷めちゃっているんだけど)

すっかり冷めてしまったカルボナーラを眺めながら、光は思った。

「狭いところですが、我が家みたいにゆっくりと過ごしてください」

「じゃあ、甘えさせてもらいます」

何故だかよくわからないが、話が大きく進んでいる。

(ちょっと待って、一応ここはわたしの家でもあるんだけど!)

そう思ったけど、すでに食事にかかっている2人にかける言葉はなかった。

自分は、そっちのけですか。

光はため息をつきたい気持ちを押さえながらフォークを手にとり、冷たくなったカルボナーラを口に入れるのだった。

永田と光、プラス蒲生――3人の奇妙とも言える同居生活が、スタートした。
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