この恋は秘密
第14話 場違い
翌日、コンサート会場に向かう。
6万人は収容できると言うその会場は、既にほぼ女性のフアンで埋め尽くされていた。
夕闇が迫り始めた頃、突然照明が落ち、花火が上がる。
オーロラビジョンには、SILVER5人のメンバーがバイクに乗って舞台に上がる様子が映し出される。
こんな派手なコンサートなんか観たことが無かった私はただただ言葉を失って、ステージを観る。
彼らは立て続けに曲を歌う。
周りの女の子たちはみんな立ち上がって、踊るように手を打っている。
「ショォォォォォーーー!」
「リューーーーーーーー!」
「セーーーーーーーーイ!」
歌いながら彼らは女性フアンにウインクと投げキスで応える。
私に気付いたのか、翔が歌いながらウインクする。
「キャーー!私に翔がウインクした!!」
「違うわよ!私によ!!」
周辺で起こるフアン同士の言い争いも、ステージの音響にかき消される。
アップテンポなステージ。
華やかなライトが当たる眩いばかりの舞台。
私が知る世界とはまるで別世界だ。
そして、彼らの人を惹き付けて止まない存在感。
圧倒される。
私一人、場違いだ。
椅子から立ち上がることもできないまま、ステージで歌う翔を見上げた。
胸が痛い。
私と翔とでは生きる場所が違う……違い過ぎる。
来るべきじゃなかったんだ。
うちに来て食事をする翔。
懸命に受験勉強をする翔。
おみやげを渡しながら笑う翔。
でも、本当の彼の居場所はここにあるんだ。
激しいアクションを伴った歌の後、私はコートとバッグを持ち、帰ろうとした。
その時、照明が暗くなり、ステージに翔だけが現れた。
6万人は収容できると言うその会場は、既にほぼ女性のフアンで埋め尽くされていた。
夕闇が迫り始めた頃、突然照明が落ち、花火が上がる。
オーロラビジョンには、SILVER5人のメンバーがバイクに乗って舞台に上がる様子が映し出される。
こんな派手なコンサートなんか観たことが無かった私はただただ言葉を失って、ステージを観る。
彼らは立て続けに曲を歌う。
周りの女の子たちはみんな立ち上がって、踊るように手を打っている。
「ショォォォォォーーー!」
「リューーーーーーーー!」
「セーーーーーーーーイ!」
歌いながら彼らは女性フアンにウインクと投げキスで応える。
私に気付いたのか、翔が歌いながらウインクする。
「キャーー!私に翔がウインクした!!」
「違うわよ!私によ!!」
周辺で起こるフアン同士の言い争いも、ステージの音響にかき消される。
アップテンポなステージ。
華やかなライトが当たる眩いばかりの舞台。
私が知る世界とはまるで別世界だ。
そして、彼らの人を惹き付けて止まない存在感。
圧倒される。
私一人、場違いだ。
椅子から立ち上がることもできないまま、ステージで歌う翔を見上げた。
胸が痛い。
私と翔とでは生きる場所が違う……違い過ぎる。
来るべきじゃなかったんだ。
うちに来て食事をする翔。
懸命に受験勉強をする翔。
おみやげを渡しながら笑う翔。
でも、本当の彼の居場所はここにあるんだ。
激しいアクションを伴った歌の後、私はコートとバッグを持ち、帰ろうとした。
その時、照明が暗くなり、ステージに翔だけが現れた。