この恋は秘密
第5話 ママの悲しみ
「ただいま~!」
家に帰ると、ママがぼぉ~とテーブルに肘杖をついて、テレビを見ていた。
私が帰って来たのも、気付いてない。
私はリビングに入り、カバンを下ろすと、ママの背中からそっと抱き締めて、「ただいま」と頬ずりした。
「あっ、あら。綾乃、もう帰って来たの?早かったわね」
「もう、5時だよ」
「もうそんな時間!急いでお夕飯作るわね」
ママは急いで、エプロンを付けるとキッチンへと急いで入って行った。
私はテレビのリモコンを手に取るとボリュームを下げた。
テレビでは今日の株式市場とか、世界情勢のニュースが流れていた。
ママが絶対に観そうにない番組だ。
ママは、きっと、今朝からずっとあのままの姿勢で、このチャンネルのまま、ぼぉーーっと一日を過ごしていたに違いない。
パパのことを思いながら……。
無理もない。
パパとママは万年ラブラブ夫婦で、私から見ても呆れちゃうくらい仲が良かった。
それが……。
いけない。
ママに涙を見られないように、急いで自分の部屋へ行こうとした。
その時、チャンネルが歌番組を映し出す。
オープニングの歌からいきなり翔のグループ「SILVER」の新曲「Never Say Goodbye」が流れる。
そうだ。
大事なこと忘れてた。
私はママに歌を聞かせようと、テレビのボリュームをちょっと上げた。
「ママ、今日、この人が家に来ることになったの」
「この人って?」
ママがキッチンからひょいと顔を出す。
「この人」
私は翔を指差す。
「この人って??」
ママが眉間に皺を寄せて再度聞き返す。
「だから、この人!ここに映ってるリーダーの葛城翔(かつらぎしょう)!」
私はセンターで歌っている翔を指差す。
ママはうるっと目を潤ませると、首を振った。
「綾乃……。ごめんなさい。ママが悪かったわ。私がしっかりしていなかったばっかりにあなたまで……」
ママがよよっと泣き崩れたまさにその時、玄関のチャイムがピンポーンと鳴った。
家に帰ると、ママがぼぉ~とテーブルに肘杖をついて、テレビを見ていた。
私が帰って来たのも、気付いてない。
私はリビングに入り、カバンを下ろすと、ママの背中からそっと抱き締めて、「ただいま」と頬ずりした。
「あっ、あら。綾乃、もう帰って来たの?早かったわね」
「もう、5時だよ」
「もうそんな時間!急いでお夕飯作るわね」
ママは急いで、エプロンを付けるとキッチンへと急いで入って行った。
私はテレビのリモコンを手に取るとボリュームを下げた。
テレビでは今日の株式市場とか、世界情勢のニュースが流れていた。
ママが絶対に観そうにない番組だ。
ママは、きっと、今朝からずっとあのままの姿勢で、このチャンネルのまま、ぼぉーーっと一日を過ごしていたに違いない。
パパのことを思いながら……。
無理もない。
パパとママは万年ラブラブ夫婦で、私から見ても呆れちゃうくらい仲が良かった。
それが……。
いけない。
ママに涙を見られないように、急いで自分の部屋へ行こうとした。
その時、チャンネルが歌番組を映し出す。
オープニングの歌からいきなり翔のグループ「SILVER」の新曲「Never Say Goodbye」が流れる。
そうだ。
大事なこと忘れてた。
私はママに歌を聞かせようと、テレビのボリュームをちょっと上げた。
「ママ、今日、この人が家に来ることになったの」
「この人って?」
ママがキッチンからひょいと顔を出す。
「この人」
私は翔を指差す。
「この人って??」
ママが眉間に皺を寄せて再度聞き返す。
「だから、この人!ここに映ってるリーダーの葛城翔(かつらぎしょう)!」
私はセンターで歌っている翔を指差す。
ママはうるっと目を潤ませると、首を振った。
「綾乃……。ごめんなさい。ママが悪かったわ。私がしっかりしていなかったばっかりにあなたまで……」
ママがよよっと泣き崩れたまさにその時、玄関のチャイムがピンポーンと鳴った。