宿題するから利用して
用件のみを要求してくる他の女子とは異なり、
大塚という人間に用事があるのだと錯覚してしまえるから、
頼られていると感じることができ、大変幸せだった。
明日あの子の役に立てると思えたから、大塚という人物は連日机に向かうことが楽しかった。
更に言えば、あの子の頭に合わせたポイントで分かりやすくノートをまとめさえした。
とりあえず好き。
それは正に青春というフレーズがぴったりなように思われる。
無垢? 素直? 純粋?
当時の自分は、きっと夢見がちな生き物だったのだろう。
少しくらいは好かれていると、勘違いをしてしまっていたのだから――……
「委員長ー、ノート貸して!」