宿題するから利用して
四角い箱は神経質な子が所持するドールハウスを真似たのか、
机や椅子が委員長の理想通り、きちんと揃えられている。
「委員長〜」
大好きな女の子のふわりとした声に反応し、俺は顔を上げた。
男心をくすぐる柔らかい笑みを作る長い髪が綺麗な色白のあの子。
幸運にも三年連続同じクラスの田上結衣が好きだった。
携帯電話が武器の高校生にしてはいまどき珍しく、二年半も叶わない片思いを貫く一途な面があったりするのはこの大塚。
現国のノートを請求している彼女は、「ありがとう! 委員長」と、それはそれは魅力的にはしゃぐ。