宿題するから利用して
仕組まれたクジで押し付けられた面倒臭い役職――“委員長”をやっている冴えない奴が、
赤い顔をして己のノートを持った少女を見つめている。
どうしたらいい。
大好きな田上結衣に頼りにされるポジションは、一年生の頃まで自分の役目だったのに、
今や彼女はおーつか君おーつか君と連呼する代わりに、委員長委員長委員長と別の男に纏わり付いているのだ。
朝のホームルームが始まる前は、昨日見たテレビの笑えた話やアルバイト先での文句――十代には重要な情報が飛び交っている。
騒がしい中、むなしさに胸が締め付けられて苦しい。
切なさに泣いていいなら、いっそ自壊してみたい。