恋愛危険地帯
恐る恐るクラブに入ると、そこには誰もいなかった。
「…修ちゃん…?」
真っ暗などよめいた雰囲気が漂うクラブ内を見回した。
唯一、カウンターの周辺についている小さなランプ。
そのランプを手掛かりにして、待ち合わせの約束をした修ちゃんを捜す。
誰かがいる気配なんてない。
まだ、来てないんだろうか。―そう思った時だった。
「もう。修二ったら…」
クラブ内の奥にある、小さな部屋から聞こえら甘ったるい女の声。
今、確かに『修二』と言った。
…え?
嫌な予感がする。
気のせいだと思いながらも、ゆっくりと奥の部屋に促すように、足を動かした。