君は偽りのキスをして笑う


「二股してたのか…」

ん…聞き覚えのある声。


あれ?

あれは…

「悠哉?」


あたしは本人に気づかれないように言った。

何、修羅場なの??


ざまあ。

なんて思ってたのも束の間。


悠哉の悲しそうな顔を見て、一気にその気持ちは消えた。


あたしと…同じ。


「そうだよ、悪い?ちなみに、アンタはただの保険。じゃ、バイバイ」

うわあ…酷い。

あんな人もいるんだ。


てか、あたしの…元彼も同じ様なもんか。


て、あれ…

ちょ…待って。


悠哉こっち来てる!?

え、つうかこっち来んな!!


「あ…」
「…ん?」

悠哉はあたしに気づいて眉間にしわを寄せる。


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