君は偽りのキスをして笑う
「笑うなし」
とか言いながらも、あたしは笑う。
「ごめんて。じゃあ、お互い独り身だな。」
悠哉はフッと笑う。
「当分男いらねー」
「当分女いらねー」
2人は同時に言った。
爆笑。
「あたし、もう男とか知らない。」
「レズになるのか…」
「馬鹿言うな。ホモ」
「ホモじゃねーし」
すると、悠哉は携帯を開いて時間を確認する。
「あー、俺。そろそろ帰る」
「そう。じゃあね。」
「おう。レイプされないように気をつけろよ」
真剣な顔で悠哉は冗談を言って、あたしに手を振る。
「何それ。まあ、気をつける。じゃあね」
あたしは手を振り返した。