君は偽りのキスをして笑う


「待てよ!!」

しかし、広人に腕を強く掴まれた。

「っ…離して」
「嫌だ。どうしたんだよ?美亜?」


なんで、聞くの?

あなたも体目当てなの?


あー、あたし馬鹿だ。

また同じ間違いをしたのかな。

「…本当に無理だから。ごめん」

あたしはそれだけ言って、力がなくなった広人の腕を軽くはらった。

そして、二度と来ないであろう広人の家を出た。


また、やってしまったのか…


「馬鹿の極みだ〜」

あたしはそう呟いて鞄から携帯を取り出した。

そして、軽い気持ちで…


悠哉に電話をかけた。


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