君は偽りのキスをして笑う


「ねぇ、ゆーや」
「何、みぁ」

ふざけあって、お互いの名前を呼ぶ。


「悠哉の家に行きたいな。」
「おいで。」

これが、俺と美亜の体だけの関係の始まり。


「あんっ…ふっ…ん」
「もっと声出しなよ?」

家に親がいない事をいい事に、俺と美亜は激しくお互いの体を求めた。


力尽きるまでヤった後。

眠りに落ちる前に美亜は言った。


「飽きたら、捨てていいから。」


それが、多分。

美亜の精一杯の…

気遣い、強がり。


「むしろ、俺を捨てていいからな。」


美亜は、辛い思いをしなくていい。

この時やっと…


美亜が好き、という感情に気づいた。


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