君は偽りのキスをして笑う
「あっ…ま、待って…そこ駄目…ん」
「駄目じゃなくて、いいんだろ?」
「あっ…んあっ…は」
激しく攻め続ける俺に。
美亜は喘いで答える。
「み、あ…」
「ん…ゆ、や」
1つに…なる。
…―
俺は、横でスヤスヤと眠る美亜を見ながら考える。
いつだったか、学校の保健の時間に先生が言った気がする。
『性行為は悪い事ではない。ただ、愛する人と1つになるのです。興味本位でしてはいけない。』
…じゃあ、俺らはどうなるんだ?
いけない事をしているのか?
「美亜…」
俺は美亜を起こさないように、そっと美亜の髪を触る。
「ん…」
美亜は、俺に寄ってきた。
起きて…ないよな。
「好きだよ」
俺はそう呟いた。
そして、1人で話し続ける。
「こんな関係やめにして…」
「…それ、どうゆう意味??」
言葉を遮られた。
遮ったのは…美亜。
「え、起きてたの?」
「今起きた」
て、事は。
俺の告白は聞いてないんだな。
「悠哉は、セフレをやめたいの?」
美亜は、完全に勘違いしてる。
…違うんだよ。
「違…」
「もう、いいよ。」
美亜はサッサと服を着て、家を出てしまった。
俺は馬鹿だ。
美亜を傷つけたのに、何も出来なかった。
「くっそ…」
俺は、美亜の机の上にあった家鍵を持って家を出た。
向かう先はもちろん、美亜の所。
誤解を解くんだ。
告白に、タイミングなんて関係ない。
伝えたい、と思う時に伝えなければ…
一生後悔するかもしれない。
美亜、好きだよ。
俺は走った。