君は偽りのキスをして笑う
笑う
悠哉は…何を考えているんだろう。
『こんな関係やめにして…』
その続きは、何?
友達に戻ろう?
他人になろう?
…聞いとけばよかったのかな。
でも、聞けないよ。
好きだから、最悪の結末がくるのが怖い。
セフレになってから、いつの間にか悠哉が好きだって気づいた。
好きだよ、なんて言う勇気が出ない。
もし、告白したらもう二度と悠哉に会えなくなるかもしれない。
ならば…
セフレのままでいいから…
一緒にいたいよ。
必死に涙をこらえならがら、歩いていた時だった。
「…美亜?」
目の前に…
広人がいた。
「…あ」
別れてから、何の接点もなかった。
学校でもまったくの他人のように振る舞っていた元彼が…
ずっと避け続けてた元彼が…
今、ここにいる。