君は偽りのキスをして笑う
「悠哉…」
あたしの愛しい人。
悠哉がいた。
「美亜…ごめん。俺…て、え」
悠哉は話しの途中で、広人の存在に気づいた。
「ああ、もう新しい人がいたんだね。」
「広人…」
広人は悲しそうに笑う。
「1人なら、買い物に付き合ってもらおうと思ってたんだけど…彼氏いたんだな。美亜、幸せになれよ。」
そう言って、広人は去ってしまった。
広人は…体目当てであたしと付き合ってたわけじゃなかったんだ。
その時、なんとなくそう感じた。
「今の…元彼?」
「…うん」
沈黙が続く。
「家、戻ろ。」
沈黙を破ったのは悠哉だった。