君は偽りのキスをして笑う


目の前にいるのは、今まで電話していた美亜だった。


「冗談だって。上がりな」
「どうだか…お邪魔しまあす。」

美亜はローファーを脱いで、マフラーを首からほどいた。

「ん!」


そして、そのマフラーを俺に渡す。

「…縛って欲しいのか?そんで…」
「それ以上言うな。」


自重します。

俺は美亜のマフラーをたたんで机の上に置いた。


電話を切って、携帯も机の上に置く。


美亜は人ん家のベッドに当たり前のようにあぐらをかいて座った。

「パンツ見えるぞ」
「今さら何を」

美亜は気にせず携帯をいじる。


俺が退屈そうに椅子に座ってクルクル回っていると、美亜はチラッとこちらを見てきた。

「『携帯じゃなくて俺をいじってよぉ』とか言わないの?」
「ばっ…言わねぇし」

俺は爆笑。

どこのヘタレM男だ、それは。


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