君は偽りのキスをして笑う
美亜は上半身だけを起こして、ムッとした顔を見せる。
「だからぁ…分かるでしょ?」
「…さあ」
「分かってるくせに」
美亜はムッとした顔のまま、俺の制服のブレザーのボタンに手をかける。
「こう…攻めか受けか、とかさ」
美亜は話しながら慣れた手つきで俺のブレザーのボタンを外していく。
「今。俺、完全に受けじゃね」
「だね」
フフッと笑って美亜は手を止める。
「悠哉」
「ん?」
「今日は受けがいいな」
何の躊躇いもなく、美亜が言うものだから。
俺は思わずふいてしまった。
「ぶはっ…」
「なんでよ、馬鹿にしないでよ。」
「いや、ごめんて。」
俺は口に手を当てて、美亜を宥める。
バフッ…
そして、美亜をベッドに押し倒す。
「あっ…」
突然の出来事に美亜は声が漏れていた。
…まだだ。
まだ、理性は飛ばしちゃいけない。
好きなのがバレてしまう。
バレちゃいけない理由…
それは…