秘密のMelo♪y*番外編*
青空に約束
よく考えれば、別に彼を連れてくる必要はなかったのかもしれないけど…彼の手を引いて、あたしが一番好きな場所へ走った。
「ここね、夜になったらすごい綺麗なんだよ」
「へえ…」
結構都会のほうなんだけど、この丘からは唯一星がよく見える。
夜景も綺麗だよ。
「ねえ、あんたはどうしてバイオリンやってるの?」
「どうしてって…」
「あたしはねー…、音楽が唯一万国共通で心に届くものだと思うんだ」
伝えたい思いがあれば、それを音に乗せて世界中に聞いてもらうの。
時々言われるんだ。
『君のおかげで――』
…って。
あたしのバイオリンが何かを動かしたんだとしたら、それはとても嬉しい。
笑って「あなたの演奏が好きだ」って言われるととても嬉しい。
「だから…やるんだ。…あんたは?」
「俺は……そんな立派なもんじゃない」
「え?」
「俺は……」