秘密のMelo♪y*番外編*
真裕の父は真裕の父
――洋平サイド――
「というわけで私寝る」
「寝るなこのくそ親父ッッ!!」
「いたいっ! いたいよひどいよ真琴っ」
三日も寝ていない夫を気遣うこともせず、スパンとスリッパで後ろ頭を叩く我が妻真琴。
初めて出会ったころと変わらず、可愛らしい容姿に時々変貌する性格。
ああ……可愛い。
一ミリもこの愛は薄れることはない!
「あ、あらごめんなさい。大丈夫あなた?」
「だいじょうぶじゃない」
「やだっ。打ち所が悪かったのかしら? そうじゃなくてもすかぽんたんなのに、これ以上壊れちゃったらどうしようもないわ…」
本気でおろおろしている割には、言ってることがあまりにひどい。
まず心配しようか。そういう心配じゃなく体のさ。
「うっそだよ~ん」
バッと両手を広げて言ってみせると、真琴は一瞬目を見開いた。
「やっだもうあなたったら❤」
きゃっと笑って立ち上がる真琴はこれでも一児の母。
誰が聞いても「え?」と聞き返すだろう。
下手をすれば学生に見えなくもないくらいだ。
そうこう言っていると、噂をすればなんとやら。
真琴と同じくらい……いや、もうぶっちゃけ真琴より可愛い我が娘がよちよちやってきた。
「ママ? ママ!」
ぴょこんぴょこん動く首に、くるくる変わる表情。
本当に可愛い。