秘密のMelo♪y*番外編*
るーっと涙を呑む、そんな一日。
帰宅してからようやっと癒された。
「ただいまーまおちゃーん! パパ帰ったよーん」
リビングに入るなり両手を広げて言った。
そしたらそう!
この胸に飛び込んできたよ!
「お帰りなさいあなた❤」
……わが妻が。
…あれ?
ボク娘に語りかけたんだよ。
いや、真琴が嫌ってわけじゃないけどもちろん。
娘は? 私の娘は?
「真琴ちゃん? あのー…」
「うっさいわよ。大声出したら……どうなっても知らないからね」
さっきのあま~い声色から一変。
もう脅迫だね完全にね。
男の一番大事なところにペーパーナイフを突きつけられて、キランと光る瞳に睨まれた。
「あ、あの…」
「やっと寝たのよ! あの子ったら『パパが帰ってくるまで待ってる』って言ってなかなか眠らなかったのよ。それをその間抜け面で起こさないで」
「そ、そうなの? それは残念……ってこらこら」
間抜け面ってなんだいハニー。
今さ、ああやっぱり可愛いな真裕…って思ってたとこなのに、一気にぶちのめすその一言。
ヘビー級に痛いよその一言。
「相当無理して起きてたから、もう死んだように眠ってるわ。これは朝まで起きないねー」
買い与えたバイオリンを、両手で大事そうに抱えてソファで眠る真裕。
そんな真裕の頭を撫でながらくすっと笑った真琴に、そおっと手を伸ばした。