秘密のMelo♪y*番外編*
超常が日常
――そして、時は流れ十数年。
素直でとても可愛かった娘は、今やしっちゃかめっちゃかな天然娘と化していた。
それでもやっぱりそこは親子。
髪の毛や顔つきが、ずいぶん真琴に似てきている。
声なんかも、思わず振り返ってしまうほどのそっくりさ。
親子ってこんなに似るもんなの?
「くぉら父様」
「ん?」
その真琴にそっくりな声でキレ気味にやってきたのは、まぎれもなく我が娘真裕。
「どおしたの」
「どおしたじゃないでしょおっ。これなに!?」
びしいっと指差された先にあるのは、私からの贈り物ではないか!
なんでそんなに怒ってるのかな? まおちゃんたら。
「私とて可愛い娘が結婚してしまうのは寂しいのだ。いくら楓くんとはいえ、他の男にとられるのは寂しいのだよ…うっうっうっ」
「父様……」
「分かってくれるかねまおや!?」
「ムリ」
「……」
…真琴や。
娘はこんなに冷たかったか?
あの愛らしい真裕はいずこに。
「だって勝手にしたくせになにが『寂しい』よ。こうなったらまお…!」
「ん?」
「かっくんのお嫁さんになりきってやる!!」
…さっきまでなんだこれはと言っていたはずの贈り物…ドレスを握りしめ、高々とそう宣言した真裕。
「お嫁さん!? お嫁さんだって!! きゃあ~~っ❤❤」
…と、自分で言って自分で興奮していた。