秘密のMelo♪y*番外編*
「じゃあまお帰る! かっくんが待ってるの❤」
「ああ…行っちゃった…」
…実は今俺がいるのはイタリア。
マフィアの抗争を止めに来ていたわけだけど…真裕がああして文句を言いに来たわけ。
でも「そっかぁ。かっくん旦那さまなんだ! すてきっ。超すてき! かっくんがすてきだからなおすてきっ」と素敵を連呼して嬉しそうに飛び出ていった。
たぶんウィーンに帰ったんだな、うん。
さっき来たばっかりなのに…。
ほんとに文句言うだけ言って帰っちゃったよ。
ったく…誰に似たんだか、この破天荒さは。
『あぁらあなたでしょ。他にないわ』
『ぬわんだと』
『可愛らしさは真琴さん似だけど、あの性格はまんまあなたね』
……確か真琴もそう言っとった気がするぞい。
そうかね。本当にそうなのかね。
『…で。お前さんなんでうちにおるんだ』
そして真裕のやつはなぜこれが目に入らなんだ。
気付かずに帰りおった。
『あら悪い? せっかくそれ手伝ってあげようかと思ってきたのに』
そう言って指差されたのは山のような書類。
ちなみにこのくそ生意気な女は、いわば仕事仲間。
英国人のキャロルだ。
そしてくそ生意気な挙句へそ曲がりなため、ここは手放しで喜んでお願いしないともう帰ってしまうだろう。
『おお~! それはありがたい。ぜひぜひ手伝ってくれたまえ』
にこにこしながら両手を握ってぶんぶん上下に振った。