秘密のMelo♪y*番外編*

「じゃあまお帰る! かっくんが待ってるの❤」


「ああ…行っちゃった…」


…実は今俺がいるのはイタリア。

マフィアの抗争を止めに来ていたわけだけど…真裕がああして文句を言いに来たわけ。

でも「そっかぁ。かっくん旦那さまなんだ! すてきっ。超すてき! かっくんがすてきだからなおすてきっ」と素敵を連呼して嬉しそうに飛び出ていった。

たぶんウィーンに帰ったんだな、うん。

さっき来たばっかりなのに…。

ほんとに文句言うだけ言って帰っちゃったよ。

ったく…誰に似たんだか、この破天荒さは。


『あぁらあなたでしょ。他にないわ』


『ぬわんだと』


『可愛らしさは真琴さん似だけど、あの性格はまんまあなたね』


……確か真琴もそう言っとった気がするぞい。

そうかね。本当にそうなのかね。


『…で。お前さんなんでうちにおるんだ』


そして真裕のやつはなぜこれが目に入らなんだ。

気付かずに帰りおった。


『あら悪い? せっかくそれ手伝ってあげようかと思ってきたのに』


そう言って指差されたのは山のような書類。

ちなみにこのくそ生意気な女は、いわば仕事仲間。

英国人のキャロルだ。

そしてくそ生意気な挙句へそ曲がりなため、ここは手放しで喜んでお願いしないともう帰ってしまうだろう。


『おお~! それはありがたい。ぜひぜひ手伝ってくれたまえ』


にこにこしながら両手を握ってぶんぶん上下に振った。


< 29 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop