秘密のMelo♪y*番外編*
―――……
『…終わらないじゃないの!!』
『す、すみません…』
『なんっでこんなに溜めてるわけ? 何日分よこれ! ったく…。だーから真琴さんにも逃げられるのよ』
『ち、違わい!! 真琴は僕ちんを捨てたりしないもんねっ』
…たぶんっ。
『っとにもー…。なにやってたの?』
なかなか終わらない書類仕事に堪忍袋の緒が切れたキャロルが、ぶちぶちと文句を言いながら責め立てる。
縮こまりながら、正当な理由を言った。
『ちょっとね、真裕と彼との結婚を進めてて―』
『どっこが正当な理由なわけ? 本人の了承なしじゃないの』
だ、だって。
実はさ…。聞いてくれる?
俺、これでも本当に気を利かせたつもりだったんだよ。
『あんな…?』
…今を去ること一年前。
うちの使用人神崎…真裕曰くお兄ちゃんから連絡を受けたときから始まる。
「なにい!? 真裕に彼氏だとぉ!?」
「そ、そうなんですよ。それがえっらいいい男で…! なんとあの星野楓だそうで…」
「星野楓? …ってぇとあれか。真裕と並ぶ天才か」
「はい。そっれはもういい男で…」
うむ…星野楓か…。
俺はこの時思った。
やつならば、真裕も会社も藤峰家も任せられるやもしれん!!
…と。