秘密のMelo♪y*番外編*

しかし問題はここからなのだ。

あくる日、見た目も中身もすんげぇ男前な楓くんは、かっこよ~く真裕を迎えにパリに舞い戻って来てくれた。

それはそれはかっこいいよね、うん。


かくしてめでたく仲直りはしたようだったが、二人は今までとなんら変わりないように見えた。

今思えば恐らくあの時だったのだろう…ふっ…。

…が、当然そんなことなど知りもしない私は、心で一つ計画を立てた。


もうこの際結婚させちゃって、今度こそ両想いの二人をくっつけちゃおう!


…娘思いのいい父親だなって思ったんだ僕。

自分に酔ってたんだ僕。


…まあとはいえ、なかなかそのタイミングがつかめず実行できずにいたわけだが、その一年近く後に真裕に留学の話が来た。


「せんせえの息子ってゆーやつがねぇ…」


「ケインか!? ケインのことかっ!?」


「あーそんな名前だったかも」


「おおおっ! そっ、それはゆきなさい。どこへでもゆきなさい」


そうか…。ケインはようやっと真裕と会ったか。


ふっ…とかっこよく笑みをもらして、私は電話を切った。

そしてあることに気付いた。


「かっ…かっ……楓くんとは離れ離れになるんでわないかっっ!?」


…それはもう、大きな衝撃だったさ…。

一トンくらいの岩で頭を連打されてるような衝撃。

分かるかね?


そして思った。


真裕の懐き具合は半端ない。

ひょっとするとこれを機に二人はラブラブになるやもしれん。


…と。


< 33 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop