秘密のMelo♪y*番外編*
私の思惑はある意味どんぴしゃりだった。
一ヶ月もした頃の真裕は、精神のバランスの崩れから体調を崩した。
知らない地で一人、知らない人に混ざるのは、あれには相当きついことだろうと思う。
すんげー社交的に見えて、その実怯えるほど他人が苦手だった。
今はそうでもないようだが……内心、知らない人と接するのは怖いんだろう。
そこへ!
そこへ愛する楓くんが登場したらこれどうだ?
『ううっ…。わ、わたしあなたがいないとだめなのダーリン』
『分かっているさハニー。さあ、僕の胸でたんとお泣き』
『わああっ! 怖かったぁ!』
…とこんな風に、二人は結ばれるに違いない。
そのためにはまず…彼にウィーンに来てもらわねばならない。
どうしたものかと悩みつつとりあえず真裕のところに押しかけてみると。
「やっほー!」
「あ」
「え"」
…………え"……。
私の目に飛び込んできたのは……気まずそうな顔をしてそっぽを向いた楓くんと、きょとんと首を傾げる真裕。
二人は何と……。
抱き合っていたのだぁあぁぁ!!
そして今にも口付けを交わす寸前!!
私は思った…。
…しまった! 計算違い!!
だが今さら後にも引けない。