秘密のMelo♪y*番外編*
普段真裕を中心に呆れられてばかりの私だが。
このときばかりは、人生で初めてと言えるほど盛大に呆れ返ったさ。
「えー…ごほん。それであの。今日はお話があって参りまして…」
「はいっ、はいっなんでしょう?」
キラキラと輝く瞳に見つめられ、思わず一歩下がりそうになったけれど。
さすがは私! 引かなかった!
「実は、息子さんとうちの真裕を結婚させていただきたく存じま…」
「ぜひっっ❤❤」
「よよよろしくお願いします! ははーっ」
「へっ…」
え、マジで?
ほんとおに? いいの?
え? あっさりしすぎじゃね?
「ああ…っ! 本当に夢じゃないのかしら…!? こんなことがこんなことがあっていいのっ!?」
「母さん…! 今まで真面目に生きてきた甲斐があったね…!」
「ええそうねっ。あんなのでも生んでよかったわ…❤(一応)ちゃんと育ててきてよかった…❤(勝手に育ったんだけど)」
そ、そう…いいんだ。
いや、いいならいいのよ、うん。
しかしまあ…本当に似てない親子だな。
てか夫婦似すぎだな。
「う、うちなんてしがないサラリーマン一家ですが…! 生計が立ってるのはほとんど楓の収入ってくらいな家ですが…! どうかよろしくお願いします」
「あのような息子をまさか藤峰家に引き取っていただけるなど誠に申し訳ない次第ですが、どうぞよろしくお願いいたします」
「いえ、こちらこそ。できることといえば辛うじてバイオリンくらいな、ドジで間抜けでお馬鹿でよく言って天然な娘です。あんなわけ分からんやつにこんなにも辛抱強く付き合ってくれているのは、楓くんくらいなものですよ」