秘密のMelo♪y*番外編*
いつもならみっちり稽古をつけてもらうところも、気が入らず今日は帰っていいと言われた。
ルンルンしながらスキップで帰っていると、いつものあれが来た。
『真裕ちゃん?』
『はい?』
『きゃーっやっぱり本物だわ! 握手して♪』
『えっ……はあ…』
ぶんぶんぶんっと右手を振り回されると、声をかけてきた女の子はそのまま走っていってしまった。
「…はれまあ」
なんでしょね…。
そうこう言ってるうちにまた…。
『真裕ちゃんよ! ここらを歩いてるって本当なのね!』
『ほんとだわぁ~…可愛い! 妹にしたい!』
『ほんとにちっちゃくて可愛らしいのね!』
……ちっちゃくて悪かったですねーだ。
可愛らしいって要は子供みたいって言ってるんでしょ!
確かにまだ十一の子供ですけども。
なにもそんな幼稚園児が可愛いみたいなノリ…。
ハア…とため息をついたとき、家の外では聞き慣れない日本語が耳に飛び込んできた。
「楓ーっ? かえくーんっ! どこ? かえくーん!」