秘密のMelo♪y*番外編*
書類の山を漁りながら、キャロルとの無駄な言い合いは続く。
『ていうか、あなたがそんなだから真裕ちゃんもああなっちゃったのよ。責任とりなさいよねー父親として』
『“そんな”!? “ああなった”!? …おいおいおい、僕の真裕を馬鹿にしちゃ許さんよ』
『なに言ってるの。あんたを馬鹿にしてんのよ』
『なんだそうか。……おい』
それはそれで許せんな。
なぜ? 馬鹿にされるようなことしてないよ僕ちん。
『存在よ存在。真裕ちゃんはかわいいからいいけど、あんたはねー…』
『残念そうな顔するなよ』
キャロルってさー、どっちかっていうとキャサリンって感じの顔なのに、すごく失礼なんだよね。
『意味が分からないわ』
トントンと紙の束を整えながら、さらりと言うキャサリン……否、キャロル。
うむ…。何度見てもキャサリンって感じだなぁ。
…ほら、長い金髪で…碧の瞳。
ちょっとキツめの目付きに、深紅の口紅を綺麗に塗った唇。
英国人だから彫りも深いし、背も高く足も細長い。
どう考えてもキャサリンだぁな。
『まったくもって意味が分からないわ。どんなイメージ持ってんのあんた』
『キャロルっていうとなんか…可愛らしいイメージだ。真逆すぎる』
『どういう意味よ』
『鏡を見てみたまえ。分かるから』
『アンタも大概失礼ね!?』
わはは。仕返しだっ。
……とか言いながらもちゃんと気付いてるよ?
この言い合い……どこまで馬鹿らしいんだろう、ってさ…。