秘密のMelo♪y*番外編*

書類の山を漁りながら、キャロルとの無駄な言い合いは続く。


『ていうか、あなたがそんなだから真裕ちゃんもああなっちゃったのよ。責任とりなさいよねー父親として』


『“そんな”!? “ああなった”!? …おいおいおい、僕の真裕を馬鹿にしちゃ許さんよ』


『なに言ってるの。あんたを馬鹿にしてんのよ』


『なんだそうか。……おい』


それはそれで許せんな。

なぜ? 馬鹿にされるようなことしてないよ僕ちん。


『存在よ存在。真裕ちゃんはかわいいからいいけど、あんたはねー…』


『残念そうな顔するなよ』


キャロルってさー、どっちかっていうとキャサリンって感じの顔なのに、すごく失礼なんだよね。


『意味が分からないわ』


トントンと紙の束を整えながら、さらりと言うキャサリン……否、キャロル。

うむ…。何度見てもキャサリンって感じだなぁ。

…ほら、長い金髪で…碧の瞳。

ちょっとキツめの目付きに、深紅の口紅を綺麗に塗った唇。

英国人だから彫りも深いし、背も高く足も細長い。

どう考えてもキャサリンだぁな。


『まったくもって意味が分からないわ。どんなイメージ持ってんのあんた』


『キャロルっていうとなんか…可愛らしいイメージだ。真逆すぎる』


『どういう意味よ』


『鏡を見てみたまえ。分かるから』


『アンタも大概失礼ね!?』


わはは。仕返しだっ。


……とか言いながらもちゃんと気付いてるよ?

この言い合い……どこまで馬鹿らしいんだろう、ってさ…。


< 41 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop