秘密のMelo♪y*番外編*
―――……
「かっくん、ねえねえ冷たい! 冷たいねぇ」
「そりゃそうだ」
「琥珀も梨音も寒くないのかな? お洋服着てないのに」
「毛皮着てるだろ、毛皮」
「おおおーっ。素晴らしいわね!?」
…そうだろうか。
そんなに改めて素晴らしいと叫ぶようなことだろうか。
若干首は傾げるものの、まあこいつが素っ頓狂なのはいつものことだしさして気にも留めず、真っ白な雪になんとなく指を刺した。
「ほんま積もったなあ」
「ねー。子どもの時以来だわ」
「えー、まお初めて見るお」
「きっと冬場は家に押し込められてたんだね」
「なんで分かったの蓮くん…!?」
「そりゃあね。真緒ちゃんパパ見たら分かるよ」
…それもそうだ。
あの人のことだから、寒ければ風邪を引くからと、暑ければ倒れるからと、外に出したがらなかっただろう。
なんとも過保護な親だ。
「言っとくけどあんたも真緒に対して過保護だわよ」
「……」
俺のはあれだ。過保護っつーんじゃなくて…あれだ。
…あれ。
「どれ」
「…………」
「ほーらいい言葉が見つかんないじゃない」