秘密のMelo♪y*番外編*
「うるせぇな。大体あいつが危なっかしすぎるんだよ色々」
「まあねーそれは確かにねー」
心配もするだろうが。
ちょっと走ればすぐ転び。
ちょっと転べばすぐに泣き。
目を離せばどこへなりとふらふら行くし。
いつか掻っ攫われるんじゃあるまいかといつもハラハラだわ。
「きゃんっ」
「えええ!? 急に!?」
…そら見ろまた転ぶ。
「…………あーんっ! かっくんこけたぁ…」
…そら見ろまた泣く。
「ほれ」
すかさず駆け寄って手を伸ばし、服についた雪を払う。
「琥珀がおもしれぇ顔して見てんぞ」
「おもしれー顔て…。…あ、ホントにおもしれー」
そりゃまあ、目の前で飼い主がすっ転んだら驚きもするわな。
犬にもちゃんと表情がある。
毎日見てれば手に取るように分かるようになった。
「かっくんちべたい」
「足出してるからだろ」
「なんの! わたしゃ転ぶ前提で厚着はせぬ…!」
「転ばなくても厚着しとけ。そしてお前は転ぶ心配を常にしろ」
「があんっ…!?」
派手にショックを受けて見せる真裕に思いっきり背を向けて、座っていた花壇の場所へ戻った。