秘密のMelo♪y*番外編*
「ふっ…いいわよいいわよ。知らねーわよ。でもかっくんはまおの! 例え梨音でも、髪の毛一本やるもんかっ」
「わうっ」
「なにおうっ。やるかこのっこのっ」
ちょっちょっと右手を差し出しては素早く引っ込める。
なんとなく逃げ腰に見えるのは俺だけだろうか。
「てやっ」
「わんっ!」
「きゃー!」
「……弱すぎだなお前」
こんな小さい犬にちょっと吠えられただけで、ビビって俺にしがみついてきた。
自分から喧嘩を売ったくせに、アホ以外の何物でもない。
「…かっくんて…毒玉だよね」
「毒舌って言いたいのかな?」
「うん。そおだよ」
「真緒ちゃん面白いね」
「ありがとお」
…いや。
冗談抜きでおもしれぇ。
「わうっ」
「こーら。わん言っちゃダメでしょ!」
「……きゃん!」
「そういう問題かΣ意外と賢いな!?」
…いや、ホント冗談抜きで。
ペットは飼い主に似るというのはつくづく本当だ。