秘密のMelo♪y*番外編*
そしてその十分後。
「かっくん!! まお帰ったよ!」
「や、逆にどこ行ってたんだよ」
「お風呂!」
「そりゃ帰ったとは言わねえよ」
長い髪の毛を濡らしたまま、しかもどさくさ紛れに半裸で部屋に飛び込んできた。
そんなに急がずとも俺は逃げねえっつーのに。
「かっくん寒い」
「そりゃちゃんと着ないからだ。ほら、ボタン止めな」
「できなぁい」
「……」
ああ…。
別に俺だって、あの藤峰真裕にそんなことができるとは思っちゃねーよ。
ああ、思っちゃない。
思わず口が滑っただけだ。
無駄に自分に言い聞かせながら、ボタンを触って首を傾げる真裕を抱き寄せた。
「こらくっつくな。止められねーだろうが」