五里霧中


言うことを聞かない子供や反抗する子供はすぐに消された。


そうじゃなくても、見た目の悪いことはどんどん間引かれた。


日に日に広くなっていく部屋の中で僕は、毎日自分の終わりが訪れないことに辟易していた……。



一昨日はボクのことをいじめていた、その子が消された。


昨日はボクに優しくしてくれた、この子が消された。


そして今日はボクが大好きな、あの子が消されるらしい。



彼女は部屋を出る直前、僕にこう言って消えた。


『あなたは狂ってる』


それならそうなのかもしれない。


だってあんなに大切だった仲間たちが消えていくのを―――


―――僕じゃなくてよかったと思いながら眺めているんだから。


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