五里霧中



冷たい水の底に沈んでいくような重苦しい日々。


暗くて、寒くて、どうしようもなく苦しくて。



人が一人消えるたび、仲間が一人消されるたび、僕はどんどん深く沈んでいく。


それなのにいつまで経っても底は見えない。


どんなに辛くても、どんなに苦しくても、底には辿り着かない。


だけど僕にはそれを嘆く権利もないから、ただ耐えていることしかできなくて。


意識が遠のく中、静かに呟くんだ。



君じゃなくて、僕が消えればよかったのに。って。



< 107 / 351 >

この作品をシェア

pagetop